選択制401kはメリットがある反面、デメリットもいくつかございます。ここでは、選択制401kの注意点についていくつかご紹介いたします。
選択制401k特有のデメリット
選択制で拠出した掛金は社会保険の対象外になることから、それにより標準報酬等級が下がり、社会保険料負担を軽減できるということが、企業にとっても、従業員にとっても大きなメリットです。しかし、標準報酬等級が下がることで、他にも減額されるものがあります。以下は一例です。
減額されるものの一例
これらの給付は標準報酬の増減によって金額が増減します。しかし、現役世代中に支払う税金や社会保険料の圧縮効果とを見比べていただければ、メリットがあるといえます。もちろん選択制401kにおいては、企業に導入された場合でも従業員の利用は強制ではないため、メリット・デメリットを十分に比較して、ご自身で利用可否を判断していただくことができます。
その他401kのデメリット
上記以外のデメリットとして、企業・加入者それぞれの視点から解説いたします。
企業の視点
加入者向けに定期的な投資教育を実施するためのコストがかかります。運用リスクは企業ではなく加入者が負うことになります。そのため、加入者への正しい情報の提供や、経済への興味や理解を促し、制度の利用環境を整えていくことは、大変重要な企業の責務であると言えます。
加入者の視点
従業員自身が運用リスクを負う
将来の受取額が不確定のため、老後の計画が立てづらいと言えます。しかし、加入者自身で運用を行えるということは同時に老後の資産を増やすチャンスとも言えます。元本確保型商品の選択も可能なので、その自由度を活かして計画的に運用していくことが重要です。
積立途中での現金化は原則不可能
公的年金制度の補完制度ということからも、老後の資産作りを最大の目的とする制度であるため、中途の引き出しは原則できません。しかし制度目的を十分に理解していただければ、原則60歳まで現金化できないというのはデメリットばかりではありません。
掛金の中断が原則不可能
一度掛金拠出を開始してしまうと掛金をゼロにすることはできません。例外として、会社都合を除く無給の休職・休業期間については中断可能です。
なお、掛金額については会社で定めたルールの範囲内で変更できます。